母の日記
今日の夕方、実家で荷物の整理をしていたら一冊のノートが出てきた。
何気なく開いてみると、母が子育てし始めた当時の日記だった。
父の転勤で見ず知らずの知り合いもいない土地で子育てをすることになった母。
ノートには、まだ1歳になるかならないかの幼子(私の兄)を抱え、初めての子育てに戸惑う様子や、専業主婦として過ごす毎日の苦悩のようなものが綴られていた。
毎日の3食の献立も記されていて、それをみるとその頃の母の姿がより鮮明に感じれらた。
そして、ページをめくるたびに励ましたくなった。
「よくやってるよ!十分だよ!あなた素晴らしい!!肩の力抜いて!」
そう言いながらめちゃくちゃ肩叩いたり背中叩いたりしたくなった。
辛かっただろうなぁ。モヤモヤしただろうなぁ。
当時の話を聞きたくなるが、去年亡くなった母にそれはできないし、でもまだ生きていたとしたらこのノートを今私が目にすることもなかったんだろうと思う。
母の母自身に対する失望と苛立ちと焦燥感と葛藤が詰まったこのノートは、父にも存在を話さず、捨てることもせず、こっそりもらってきた。
大事なお守りだ。